最上級ワンランク上のステータスカードブログ:22-01-25
あれはボクが小学3年生の秋、
窓を閉めて寝る季節のことだった…
母親は24時9時から10時の間に自分の部屋にこもり、
「決して襖を開けてはいけない」と言った。
ボクはそれに従った。
だけど、それにしても、
一体、母親は何をしているのか?
なぜボクは見てはいけないのか?
何か秘密でもあるの?…
そのうちだんだん妙な疑惑と不安がのしかかってきた。
もしかして、
母親は「鶴の恩返し」に出てくる鶴ではないか?
隠れて織物を織っているのではないか?
実は「雪女」で、襖を開けたら、
真っ白の風にくるまれ、消えていくのではないか?
ボクは、そんな化け物から生まれたのか?
怖いやん…めちゃ怖くて、泣きそうやん…
こんな秘密を持つなんて、
きっと母親はボクが嫌いなんだ、
実のむすめじゃないからだ。
ボクはなんてかわいそうなむすめだ。
…泣きたくなって、襖を開けてしまった。
すると、母親はなんと腹筋トレーニングの真っ最中!
「こら、開けたらあかんて言うたやん」
もうすぐトレーニング会で、
母親は、競争に勝つために特訓中なのだった。
「あんたがおったら集中でけへんから、ひとりでやりたかったのに〜、
もうええわ。やめよっ!」
と、食卓に来てお茶を飲んだ。
そこで、べたべたとくっつく、
しけたしょうゆのあられを一つずつ5本の指先につけ、
指をなめずに食べた…
これ、母親とボクのお気に入りの食べ方。
「いつものことやけど、こうして食べたら、おいしいなぁ〜」
と笑う母親。
で、ボクは5本の指を寄せて、
5つのおかきを同時に口に入れるという技を極め、
母親の絶賛と大笑いを得たのだった。
こんなことで絶賛してくれるのは実の親以外あり得ない。
間違いなくボクは母親のお子さんだ!
すごく嬉しくて、そして、涙がとてもしょっぱかった。
■アレキサンダーアンドサンナビ
アレキサンダーアンドサン
URL:https://www.expedia.co.jp/Alexander-And-Baldwin-Sugar-Museum-Hotels.0-l6152665-0.Travel-Guide-Filter-Hotels